豊橋市は、市内で活動するスタートアップ(新興企業)が資金調達しやすいよう、ベンチャーキャピタル(VC)などと面談する機会を提供している。対話を通じて事業成長への新たな視点や投資家との接点が生まれており、市はさらなる成長に向けた支援に力を入れている。
10月27日、同市駅前大通1丁目の異業種連携拠点「MUSASHi Innovation Lab CLUE(ムサシ・イノベーション・ラボ・クルー)」に、市内で事業や研究開発に取り組む新興企業5社と、VCなど5社が集まった。両者は順繰りに1対1で面談し、新興企業が自社事業や思い描く展望を説明し、VC側は事業の成長や資金確保に向けた助言を行った。
参加企業の1つで、代替タンパク源としてウキクサの一種「ウォルフイア」の研究を進める北海道大学発のスタートアップ、Floatmeal(フロートミール)の北村もあな代表取締役は「自分たちの考える事業内容や事業計画が、どのように伝えたら投資の判断に必要なものとしてアウトプットできるのかがよく分かった」と手応えを語った。
市によると、2022年度から年1回、24年度からは年2回のペースで新興企業とVCの面談機会を設けている。この面談を通じた出資事例は過去1件とまだ途上であるものの、VCとの接点を得て関係を深める企業は着実に増えているとみられる。一般的なVCの出資判断には一定の時間を要することから、今後の継続的な交流を通じてより多くの資金集めに結びつく成果が期待されている。
今回の面談に参加した武蔵精密工業(豊橋市)の伊作猛チーフ・イノベーション・オフィサーは「自社事業に関する仲間を増やし、関係者集団を構築する中で、ぜひベストパートナーを探していってほしい」と呼びかけた。同社は自社事業との相乗効果を見据えて投資する「コーポレートベンチャーキャピタル」活動に取り組んでいる。
「この地域のスタートアップを生み出したい」と意気込む市地域イノベーション推進室の小野健太郎室長補佐は「成長に必要なのは資金調達だが、市内にはVCが少ない。市内で頑張ろうとする人に機会をつくることが重要だ」と事業の意義を強調した。